訪問介護で実施可能なテレワーク対策

コロナ対策の一環として国や行政は、様々な施策を打ち出しながら、テレワークを推進しています。そして今回のような状況において、新しい働き方を始められるかどうかが、文字通り命を左右するのが訪問介護業界です。

訪問介護業界は、ICT化が遅れていると言われ続けて久しいですが、この度は大変多くの鬼気迫る問い合わせを頂いているため、特設ページを作成しました。事業所の皆様の参考になれば幸いです。

訪問介護業界における三密の危険性

三密説明図

まず、訪問介護事業所は3密です。密閉空間である事業所に、複数従業員がデスクを並べ、サ責や管理者、社員従業員が情報交換や電話対応のために声を出し、様々な情報確認や記録のために、事業所内を歩き回ります。コロナが感染しやすい環境にあることは誰の目にも疑いようがありません。

以下にコロナ感染による段階的なリスクを挙げました。

リスク1生死に直結する業界

サービスは超絶濃厚接触ですから、従業員の皆様と利用者様のどちらかが感染していた場合には、互いに感染確率が上がります。更に、先述の事業所の様子でしたら、事業所が感染のハブになり、ますます感染者が広がります。そして、感染した場合の命に関わる悪化リスクは、他の業界とは比較になりません。

リスク2補完しずらい人材

事業継続の観点からも大変大きなリスクがあります。正社員、特にサ責さんが感染した場合には、運営が立ち行かなくなる事業所も多いかと思います。

一部の従業員が日常的なサービス調整を行うため、彼らが欠けることは、事業所のオペレーションにおいて致命的な打撃となります。訪問介護事業所は情報やスキルが集中しがちな組織であるため、仮に1人の感染であっても事業停止状態になりかねません。

リスク3風評被害

また業界やエリアにおける風評被害は甚大です。一時的な感染であり、幸いにも症状が悪化しなければ職場復帰等も数週間で可能です。しかし風評被害は大変厄介です。命に直結する可能性があるため、コロナ感染リスクのある事業所と分かれば、新規依頼は無くなり、既存利用者様は停止され、更に事業所変更される場合も多いと、容易に想像できます。

訪問介護におけるテレワークとは

上記の様な状況に陥らないために、有効な施策がテレワークになります。テレワークは訪問介護には縁遠いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、テレワークは十分に可能ですし、既に実施している事業所も増えてきています。

まず訪問介護事業所のテレワークの定義を明確にします。ここでは、正社員の皆様(サ責、管理者や正社員の専門職等)が事業所に同時に集まる機会を減らし、可能な限り直行直帰できる働き方を徹底し、3密状態を回避することだとします。

訪問介護テレワーク=直行直帰の仕組み

厚労省によるとテレワークは在宅ワーク、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務の3つに分類できるそうです。

厚生労働省テレワーク総合ポータル・テレワークとは

現場サービスが欠かせないこの業界においては在宅ワークと、直行直帰によるモバイルワークとの併用になります。営業の外回りが多い業界での、テレワーク(モバイルワーク)と同じ認識です。

この定義によるテレワークであれば、登録ヘルパーさんが既に行っている事ですので、イメージしやすいかと思います。

訪問介護事業所が超えるべき3つの壁

では、平時は事業所を起点とした働く社員の皆様、とりわけサ責や管理者様の直行直帰を妨げる業務について考えます。

テレワークを実施するためには、必要な情報に対して従業員がいつでもアクセスできる体制が必要です。これらを妨げている壁が訪問介護事業所には3つあります。

1つ目の壁:紙やExcel、ホワイトボード管理のシフト

ローカルのシフト管理では事業所に行かざるを得ない

テレワーク最大の障壁がシフトです。ほとんどの訪問介護事業所では、シフトは紙やExcel、ホワイトボード、または外出先で確認できないソフトウェアの中で作成されています。従って、サ責や管理者が事業所に立ち寄り、紙シフトを持ち歩いたり、シフトを写真で撮影する必要が生じます。

厚労省資料にもあるようにスケジュールツールがない場合、各従業員がどこで何をしているのかを可視化することが出来ないので、組織として動けません。訪問介護のシフトをクラウドアプリで管理することで、全社員が共通の最新シフトを同時に閲覧と調整できる仕組みが必須です。

2つ目の壁:訪問に必要情報がデータ化されていない

新型コロナでサービス担当が調整されるたびに利用者情報が手渡しされる

次の壁が、訪問に必要な情報がデータ化されクラウド上に保存されていないことです。具体的には、利用者様の基本情報や緊急連絡先、これまでのケア内容などです。通常、これらの情報は事業所内に紙やExcel、請求ソフト等に保管されているため、CMなど関係各所からの連絡に際し、事業所にて対応する必要が生じます。コロナのような有事の際には、急なシフト変更や通常は担当していない利用者様へサービス提供することもあります。従って、サービスに必要な情報が事業所にしか無いことは、大きな負担とリスクになります。

このようなサービス情報や利用者様情報についても、データとしてクラウドアプリ上に管理し、全社員がいつでも必要な情報を確認できる仕組みをとりいれることが重要です。

3つ目の壁:月末の紙面記録の収集

実施記録が紙ベースでは管理者がテレワークできない

最後の壁が紙媒体の実施記録の収集です。

サービス後の実施記録(テレッサ)など、紙媒体の記録は、必ず物理的に収集する必要が生じます。そのため、社員(サ責や管理者等)が事業所に拘束され、記録の収集と整理を行う必要があります。記録を電子化できれば、社員のテレワークが可能になります。

平時であれば、紙媒体を収集するタイミングを、コミュニケーションの機会として活用し、事業所の運営にとって良いこともあります。しかし、有事の際には重荷となります。厚労省のテレワーク効果にもあるように、情報共有アプリを利用し、情報の円滑な共有をすることで、むしろ従業員間のコミュニケーションが増え、業務の品質が向上します。

記録自体はアプリで電子化し社員のテレワークを可能にしつつ、対面や電話、メール、チャットなどコミュニケーションの目的にあった最も効果的な方法を選択し、本当に必要な情報共有に集中できる環境にしましょう。

まとめ

厚労省がどのようにテレワークを導入していくべきかを示しています。ここで大事なのはテレワークの目的を社内で共有し、テレワーク実施後も常に改善し続ける事です。このサイクルの中で適切なツールを選択することで、効果的なテレワークが可能になります。

厚生労働省テレワーク総合ポータル・テレワーク導入方法

日々の電話対応やシフト調整と共有、記録収集作業に、実績入力、給与計算など事業所でないと、行えない業務が山積しているように見えます。しかし、しっかりとしたテレワークの為の仕組みを入れ、日々の働き方を見直す努力をすれば必ず可能です。

Colibriは、テレワークの目的設定を皆様と行った後、データ入力を全て行います。事業所の皆様はすぐにテレワークを開始でき、評価改善の振り返りまでを共に行い続けます。

近々のコロナ対策をしたい方はもちろん、積極的に働き方を見直すことで、様々な環境変化に対応できる事業所を作りたいとお考えの皆様は、ぜひColibriにご連絡下さい。