訪問介護事業所の経営者1,002人に立ち上げの実態を聞いたところ、準備で大変だったのは「人員の確保」(46.1%)、「資金調達」(45.8%)、「資格取得者の確保」(44.7%)がほぼ並び、立ち上げ後に必要だと感じたシステムの1位はGPS対応の勤怠管理システム(38.1%)でした。そして、必要と感じたシステムを「導入できていない」事業所が34.8%ありました。
この記事は、Colibri合同会社が2023年1月に実施した「訪問介護事業所立ち上げの実態」に関する調査の結果を、これから開業する方と、開業後にシステム導入を見送ってきた管理者の視点で読み解いたものです。日本の高齢化率は2021年時点で28.9%に達し、初期投資が比較的少ない訪問介護事業は新規参入が増えています。開業の手続きや制度面は、別の記事「新規事業所立ち上げガイド」で解説しています。
回答した事業所のプロフィール
回答者の事業所は、立ち上げから4年以上が最多ですが、3年未満の比較的新しい事業所も半数以上を占めます。


人員10〜30人、利用者20〜80人の事業所が中心で、訪問介護としては標準的な規模の回答が集まっています。
準備で大変だったこと、立ち上げ時に苦労したこと
準備段階では、人・資金・有資格者の3つがほぼ同率で並びました。
実際に立ち上げる段階では、「人員がなかなか集まらなかった」が半数を超えました。

訪問介護の人員基準(常勤換算2.5人以上の訪問介護員、サービス提供責任者の配置)は開業時点で満たす必要があるため、人員確保は指定申請そのものの前提になります。「思った以上に資金がかかった」が4割を超えている点は、開業後しばらく介護報酬の入金まで2か月のタイムラグがあることと合わせて、運転資金の見積もりが甘くなりやすいことを示しています。
立ち上げと同時に導入したシステム、後から必要と感じたシステム
立ち上げと同時に導入したシステムと、立ち上げ後に必要だと感じたシステムを比べると、順位が入れ替わります。

同時に導入したものでは「シフト管理ツール」が1位でしたが、立ち上げ後に必要と感じたものでは「勤怠管理システム」が1位になりました。開業前はシフトを組むことに目が向きますが、実際に直行直帰のヘルパーが動き始めると、勤怠の把握と給与計算の手間が想定以上に大きいことが分かる、という流れです。
必要性を感じた理由としては、「効率的に業務を回すために必要だった」「人為的ミスが軽減できる」「現場へ直行直帰のため、なかなかシフト管理が難しい」「人件費削減」「税理士経費削減」「円滑なサービス提供のため」といった声がありました。
必要と感じたシステムの3割以上が未導入

導入できていない理由として挙がったのは、「資金面で厳しい」「知識不足」「調査不足」「時間が足りてなく進めきれてない」「すでにあるそれぞれのシステムとうまく連携ができないということがわかり、適応できるシステムベンダーが見つからなかったため」「ヘルパーが新しい機器を使いこなせない」という声です。
管理者の視点では、この理由は3つに整理できます。資金、時間と知識、そして現場が使えるかどうかです。資金についてはIT導入補助金や自治体のICT導入支援事業が使えます。時間と知識については、シフト・勤怠・給与・記録が1つにまとまったシステムを選べば、比較検討と連携設定の手間が減ります。「ヘルパーが使いこなせない」は、ヘルパー向けの画面がシンプルかどうかで決まるため、導入前に現場のヘルパーに実際に触ってもらうのが確実です。
調査概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査名 | 「訪問介護事業所立ち上げの実態」に関する調査 |
| 調査期間 | 2023年1月10日(火)〜2023年1月11日(水) |
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 調査人数 | 1,002人 |
| 調査対象 | 訪問介護業の経営者 |
| モニター提供元 | ゼネラルリサーチ |
| 調査元 | Colibri合同会社 |
Colibriでできること
この調査で上位に挙がったシフト管理・勤怠管理・給与計算は、Colibriでは別々のシステムではなく、ひとつのシフトデータから派生します。サ責がシフトを組むと、ヘルパーのスマホに予定が届き、利用者宅でのGPS打刻が勤怠になり、その勤怠から給与計算が自動で進みます。開業時にシフト管理だけ導入して、あとから勤怠と給与を別のシステムで追加する、という二度手間がありません。