調査レポート

訪問介護の直行直帰の実態調査:導入率は約7割、ヘルパーが事務所に通う理由と求めるもの

自宅の玄関で靴を履きながら、スマートフォンで今日の訪問予定を確認するヘルパー

訪問介護の現場で働く1,014人に聞いたところ、直行直帰を導入している事業所は約7割(69.2%)で、ヘルパーの68.2%が「選べるなら直行直帰がよい」と答えました。一方で、出社が必要だった理由の上位は「出退勤の記録」(51.0%)と「記録の共有」(51.4%)で、どちらも仕組みを変えればオンラインでできる業務です。

この記事は、Colibri合同会社が2022年6月に実施した「コロナ禍の訪問介護」に関する調査(訪問介護に従事している現場職1,014人・インターネット調査)の結果を、事業所の管理者・サービス提供責任者の視点で読み解いたものです。数値はすべて調査結果のままで、回答の選択肢は調査で公表された上位の項目を掲載しています。

〜 2020年の実態 〜

2020年当時、直行直帰ができていなかった人は約2割

まず、2020年1月から12月の間に直行直帰を行っていたかを聞きました。

4人に1人は直行直帰ができていませんでした。できていなかった人にその理由を聞くと、1位は「事務所で出社退社の記録をする必要があった」でした。

2020年当時、直行直帰は行っていましたか?:いいえ 25.5%。直行直帰ができていなかった理由(複数回答可):事務所で出社退社の記録をする必要があった 51.0%、仕事に必要な用具や車両などを事務所に取りに行く、または戻す必要があった 39.0%、報告書を事務所に提出する必要があった 27.4%(Colibri合同会社調べ)

管理者の視点で見ると、1位と3位は「紙やタイムカードが事務所にあるから出社する」という理由です。用具や車両の受け渡しは物理的に避けられませんが、出退勤の記録と報告書の提出は、スマホから打刻・入力できる仕組みがあれば事務所に寄る必要がなくなります。

〜 出社の理由 〜

出社していたタイミングと、出社しないとできなかった業務

出社が必要だったタイミングは「訪問業務開始前」が最多で、訪問の合間に事務所へ戻っていた人も3割を超えます。

出社した際に事業所にいたスタッフの人数は「3〜5人」が最多でした。

出社する必要があったタイミング(複数回答可):訪問業務開始前 61.0%、訪問業務終了後 54.8%、業務と業務の間 34.8%。出社した際、事業所にいることが多かったスタッフの人数:0人 3.8%、1、2人 25.9%、3〜5人 33.2%、6〜10人 23.6%、11人以上 13.5%(Colibri合同会社調べ)

そして、出社しないとできなかった業務の1位は「記録の共有」でした。

出社しないとできなかった業務(複数回答可):記録の共有 51.4%、勤務時間の管理 42.9%、引き継ぎ 40.2%(Colibri合同会社調べ)

「記録の共有」「勤務時間の管理」「引き継ぎ」は、いずれも情報を事業所に集めるための出社です。紙の実施記録を事務所に持ち帰って共有する運用では、ヘルパーは訪問前後に必ず事務所を経由することになり、訪問の合間の移動も増えます。記録と勤怠と申し送りがアプリ上で共有されていれば、この3つの出社理由はまとめてなくなります。

〜 希望と導入率 〜

6割以上が直行直帰を希望、現在の導入率は約7割

訪問介護に従事する全員に、直行直帰と出社のどちらがよいかを聞きました。

直行直帰と出社、選べるとしたらどちらがいいですか?:直行直帰 68.2%。現在、直行直帰は導入されていますか?:導入されている 69.2%(Colibri合同会社調べ)

直行直帰を望む理由としては、「事務所に立ち寄るのが手間」「出社すると遠回りになる」「出退勤の時間短縮と融通がきく」「接する人の人数を減らしたい」といった声が挙がりました。

現在の導入率は約7割です。裏を返せば、約3割の事業所では、直行直帰を望むヘルパーが毎日事務所を経由して働いています。人材確保の観点でも、直行直帰ができるかどうかは登録ヘルパーが事業所を選ぶ条件のひとつになっています。

直行直帰の労働時間の考え方(移動時間・待機時間・記録作成時間の扱い)は、別の記事で厚労省の通達をもとに整理しています。

→ 訪問介護の勤怠管理:直行直帰・GPS入退室・労働時間の考え方

〜 コロナ禍の影響 〜

コロナ禍での担当利用者数の変化

調査はコロナ禍のさなかに行われたため、担当していた利用者数の増減も聞いています。

コロナ禍になって、担当していた利用者の人数に増減はありましたか?:大きく減少した 9.4%、やや減少した 36.2%、変わらない 44.2%、やや増加した 8.6%、大きく増加した 1.6%(Colibri合同会社調べ)

「変わらない」が最多で、「やや減少した」が続きました。困っていることとしては、感染対策の難しさ、1人あたりの担当人数の多さ、利用者にマスクをしてもらえず接触も避けられないこと、同居家族の同意などが挙がっています。接触を減らす工夫として直行直帰を望む声があったのも、この時期ならではの背景です。

〜 調査概要 〜

調査概要

項目 内容
調査名 「コロナ禍の訪問介護」に関する調査
調査期間 2022年6月9日(木)〜2022年6月10日(金)
調査方法 インターネット調査
調査人数 1,014人
調査対象 訪問介護に従事している方(現場職)
モニター提供元 ゼネラルリサーチ
調査元 Colibri合同会社
本調査は、Colibriのユーザーではなく、条件に該当する無作為に抽出した方を対象に実施しています。複数回答の質問は、調査で公表された上位の選択肢のみを掲載しています。
〜 Colibriなら 〜

Colibriでできること

この調査で出社の理由に挙がった「出退勤の記録」「記録の共有」「勤務時間の管理」「引き継ぎ」は、Colibriではすべてスマホから行えます。ヘルパーは利用者宅でGPS付きの出退勤打刻をし、実施記録をアプリで入力すると、その場でサ責と事業所に共有されます。シフトと申し送りも同じアプリで確認できるため、直行直帰でも事業所と同じ情報を持って訪問に向かえます。

→ 勤怠管理(GPS入退室)機能を見る

→ 訪問介護の記録機能を見る

→ 訪問介護のシフト機能を見る

よくある質問

2022年6月にColibri合同会社が訪問介護の現場職1,014人に行った調査では、「現在、直行直帰は導入されていますか?」に対して69.2%が「導入されている」と回答しました。約7割の事業所で導入されている一方、約3割では導入されていません。

2020年当時に直行直帰ができていなかった人に理由を聞いたところ、「事務所で出社退社の記録をする必要があった」が51.0%で最多、次いで「仕事に必要な用具や車両などを事務所に取りに行く、または戻す必要があった」39.0%、「報告書を事務所に提出する必要があった」27.4%でした。出社しないとできなかった業務では「記録の共有」51.4%、「勤務時間の管理」42.9%、「引き継ぎ」40.2%が上位です。

「直行直帰と出社、選べるとしたらどちらがいいですか?」という質問に、68.2%が「直行直帰」と回答しました。理由として、事務所に立ち寄る手間や遠回りを避けたい、出退勤の時間を短縮したい、接する人数を減らしたいといった声が挙がっています。

出社の理由として挙がった「出退勤の記録」「記録の共有」「勤務時間の管理」「引き継ぎ」をオンラインでできるようにすることです。スマホからのGPS付き出退勤打刻、実施記録のアプリ入力と即時共有、シフトと申し送りの共有ができれば、事務所に立ち寄る必要がある業務は大きく減ります。

参考資料(公式)

本記事の数値は2022年6月に実施したインターネット調査の結果で、執筆時点のものです。回答者の属性に偏りがある可能性があり、すべての訪問介護事業所の実態を表すものではありません。

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